KIRBYTHESTORY79「無限の意志」
体に当たる暖かな風を受けながらミトスは剣を構える。
「やっぱり、間違いない。インフィニティ様だ」
ギャライドがベルセリオスを拾い上げ構える。
「ミトス………全力で来ていいよ」
「なら、そちらも」
ミトスの体から黒蒼の炎が現れる。
「今度は乗っ取られたりしない!全力でこの力、ハデスの力とボクの力をリンクさせて!」
ミトスはギャライドへ向かって行く。
「ハデス………さっきの………まだ残っていたのか」
ギャライドがベルセリオスをミトスから離し、後ろに構える。
「はぁ!」
ギャライドへと剣を振り下ろす。
「遅い」
ギャライドは横にベルセリオスを一線す。
「くぅ」
ベルセリオスはミトスの肌を数ミリ、かすった。
「なら!これで!」
ミトスが両手を上げて、力を溜める。
その、ミトスの手の上に黒蒼の炎が現れる。
「さっきよりも威力は強い、だが、燃やされるのは当たった者と、その周囲二メートルほど」
「………」
ギャライドはそれを見つめる。
「よし!くらえ!ファイナルビッグバン!」
黒蒼の炎が打ち出される。
「速いね………」
ギャライドは動かない。
「はぁはぁ………!?なぜ動かない!?」
ミトスは動かないギャライドを見て驚きの声を漏らす。
ドォォォォォォ!!
それはギャライドを飲み込み、地面を燃やす。
「………勝ったの………か?」
「いいや、まだだよ」
「!?」
ギャライドが居た場所からさっきと違う声が聞こえてくる。
まだ、煙は晴れない。
「ミトス知ってるか?不死鳥は火の中から蘇るんだぜ」
またも違う声。
そのとき、煙が晴れその二人の少年の姿が目しできるようになる。
二人は一緒に片手を前に出していた。
「「くらえ!これがボク(オレ)たちの全てだ!」」
周りの炎が姿形を変えていく。
「な!?」
そう、不死鳥に。
「「エターナルフェニックス!」」
エターナルの力を纏った不死鳥はミトスを飲み込む。
「がぁ!」
だが、痛みは感じられない………ただ、体の中の何かが消えていく感じ。
「………痛みは無い………ただハデスが消えていく………これが、インフィニティ様の優しさか…………」
ミトスはその中で消えていく自分の中を見つめていた。