ギャライドのブログ

ストーリーと日常系でやっていきます。

KIRBYTHESTORY2「英雄再誕編」12

「え?」

「…。そのままの意味だよ。ギャライドに会いたいかい?」

お父さんが生きている…?ならなぜ僕たちのところに帰ってこないの?

「おと、ギャライドさんはどこにいるの?」

ローライルは顔色を変えずに答える。

「ギャライドはたしかに死んだ。6年前にね」

ならどうやって…

「現代(いま)のは無理でも過去(むかし)のなら会えるはずだよ」

「え?それってどういう…」

そんなボクの目の前に金色に光る者を出してきた。金属ということはわかる。

「これは…?」

「これは時計だよ。トラベラーと言ってね、対象の人物を過去、もしくは未来に飛ばすことのできる神器だよ」

「!?」

そんなものがこの世界にあることも不思議だが、なぜローライルが持っているのか…

「もう一度聞くよ…ギャライドに会いたいかい?」

…過去のお父さんに会ったとしてもお父さんはボクのことは知らない…それでもボクは…

「お父さんに会いたい、たとえボクのことを知らなくても」

その答えにローライルはニッと笑い、時計を開く。

「行ってらっしゃい…レイド」

それをボクの方に向けると、ボクの体は軽くなり光にのまれてその時間軸から姿を消した。

KIRBYTHESTORY2「英雄再誕編」11

「それにしても…」

周りを見てボクは思う。

「広いなー」

「だよねー」

「!?」

びっくりした。隣にローライル(腹に跡がついている)がいつの間にか立っていた。

「レイドは無理をするね…壁を蹴ってダッシュしようとするなんて…」

「うぅ…ごめんなさい…」

「いや、謝る必要なんてないんだよ?でも、壁なんてここにはないのにどうやって蹴ろうとしたの?」

「え?」

そういえばそうだ。この世界には壁なんてなかったはず。なのに、あの時ボクの目には壁を認識していた。あるはずのない壁を。

「まあ、別にいいやー」

「良くはないと思うけど…」

なんでこうもマイペースなんだろう(汗)

「っとレイド」

「ん?どうしたの?」

ローライルの声はさっきまでとは違い少し低くなり大人びているように見えた。真剣な表情でこちらを向いている。

「君は…」

その言葉は、なにかの魔法のように…ゆっくりと、そしてはっきりとボクの耳に届いた。

「君は…父親…ギャライドに会いたいかい?」

KIRBYTHESTORY2「英雄再誕編」10

ガギィィィン!

「間に合った!」

ボクはローライルとサジタリウスの間に入り込むことに成功し、剣を受け止めた。

しかしサジタリウスは尻餅をついてしまう。

「ふぅ…やられちゃったな」

ローライルが剣を消し、苦笑しながらつぶやいた。

「え?ボクはまだ防いだだけで攻撃なんてあててないよ?」

ボクは剣を構えたまま聞き返す。

「(苦笑)やっぱり無意識か、サジを助けるために…後ろ向いてごらん?」

「え?うん」

そう言われて後ろを向くと、

「!?」

さっき戦っていたほうのローライルのちょうど腹に足あとが大きくついていた。

「さっきあんなにダッシュできたのって…」

「うん。ボクを壁代わりにしてたね」

全然気づかなかった…っていうか三日間あるはずの修行の一日目がこんな形で終わるなんて…

「そういえばレイドは能力を使わなかったね」

「まだ、ちょっと人に使うのは抵抗があるから…」

そう、ボクはおじさんや、ミカエルさんから少しは戦い方を学んでいる。それは剣だったり、能力だったりする。

「でもレイド、やらなければいけないときもあるってことを覚えておいてね」

「…うん」

「じゃあ、少し休憩しようか、ノルマはクリアしたし」

そう言ってローライルは歩いていく。

「…あの」

小さく後ろからそんな声が聞こえた。ボクはそちらに顔を向ける。

 「さっきは…えっと、その…」

サジタリウスが俯きながら小声で言っているがなんとか聞き取ることができた。

「…ありがとう」

サジタリウスが笑う。

「別にいいよ。サジタリウス」

それにボクも笑顔で返し、手を差し伸べる。

ボクの手をとって立ち上がると、サジタリウスがすさまじい速さで後ろを向いた。

「どうしたの…?」

「…じ…いい…」

小さすぎて聞こえなかった、ボクは間抜けな声を出してしまう。

「え?」

「サジで…いい、サジタリウス長いから…」

「ああ、うん。ボクはレイドでいいよ」

「…うん。私、おじさまのところに行ってくる」

「わかった」

サジがローライルのほうに走っていく。その口元はほころんでいて何かを呟いていた…気がする。

KIRBYTHESTORY2「英雄再誕編」9

合図とともにサジタリウスがローライルにダッシュしていく。それを見てボクも走りだす。
「やあ!!」
ローライルに向かい、サジタリウスが拳をぶつけようとするが、状態を反らして避け、何もない空間を見えないほどの速度で蹴る。
「!?」
バシュッ

サジタリウスは真空斬(仮)に当たり、落下する。
すかさず僕は落下してくるサジタリウスを受け止めるが、落下の衝撃を消せずに僕が体を強打してしまう。

「だ、大丈夫…?」

サジタリウスは僕の顔を見て一瞬驚きの表情をしたけどすぐにいつもの無表情に戻る。立ち上がり、

「…ありがとう」

顔は見えなかったけど小さくそんな言葉が聞こえてきた気がした。

僕たちはまたローライルに向き直り、構える。

サジタリウスが先行し、僕が後方を務めることにした。

「アイストルネード!!」

サジタリウス両手を前方に突出し、小さい氷の竜巻を発生させる。

ローライルはそれを避け、サジタリウスに向き直り、炎で吹き飛ばす。僕はこの隙を逃さない。

一気に地面を蹴り、ローライルを一刀両断する。

「はぁ!!」

が、ローライルの手から出現した炎によって止められてしまう。

「これは炎を固定化させたものだよ。ちゃんと斬れるからね」

と、言って炎の剣を振りかざしてくる。

「く…」

僕はそれを防ぐことで精いっぱいで反撃ができずにいた。

(サジタリウスは大丈夫だっただろうか…)

そう思い、サジタリウスが落下したであろうポイントに防ぎながら目を向ける。さっき腰を強打したようだ、立ち上がろうとしても立ち上がれずにいる。

(ん?後ろに何か…いる?)

サジタリウスの後ろにはローライルがいた。サジタリウスは気づいていない。

(そうか、ローライルは何人にも…)

ローライルが炎の剣を振り上げる。

「な!?サジタリウス!!」

「え?」

サジタリウスは後ろを振り返るが、動けない。

こちらの斬撃も止まらない。

「く、一か八か」

ローライルの斬撃をよく見る。そして…

「ここだ!」

かすかな隙を見つけ、斬撃を避ける。

「何!?」

ローライルも驚いているようだ。でも、そんなのどうでもいい。

僕は壁をキックし、ダッシュする。

ぐにゅ

壁が変な感触だったけどおかげでよくダッシュできた気がする。

そのとき、視界を先でローライルが剣を振り下ろした。

KIRBYTHESTORY2「英雄再誕編」8

レイドとサジが光の扉から入ってくる。周りを見ると壁も天井もない。あるのは地面だけだ。
「ここ、どこだろう…」
「…多分、おじさまの創った世界」
レイドの疑問にサジが答える。
「よく知ってるね」
「私はずっとおじさまといましたから」
「へー。どのくらい?」
「無駄な詮索は止めてください。不愉快です」
怒られてしまった。
「サジもそんなにツンケンしなくていいのに」
ローライルがボクたちの後ろに現れ、苦笑する。
「してません!」
「そう、じゃあ始めようか」
「うん」
「はい」
ボクたちはローライルに向き直り答える。
「で、どうするの?」
「そうだね…二人で協力してボクに一回攻撃を当ててみて」
「え?」
一人では無理でもサジタリウスと一緒なら…
「レイド」
「え!?な、なに?」
びっくりした。ローライルが僕の顔を覗き込んでいたのだ。そしてそのまま小声で言う。
「サジと協力してね。ツンケンしてるけど悪い子じゃないからね」
「う、うん」
ローライルは戻り、話の続きを始める。
「能力でも武器でも使えるものは何でも使っていいよ」
「はい、おじさま」
「うん、わかった」
「さてはじめようか」
ローライルが後ろに下がりながら言う。
「さあ、こい!!」
ボク達の修行がはじまった。

KIRBYTHESTORY2「英雄再誕編」7

「え!?お父さんたちを知ってるの!?」
たしかにそうだ。そうじゃなければこんなメンバーは集まらない。
「うん、君たちの親はね。君たちの親はそれぞれ特別だった。だから、君たちを呼んだんだ。あの人たちの力を受け継いでる君たちをね」
そうなのか・・・みんなも特別な。
「本当に凄かったよ。みんなは・・・たったひとりで一つの国を守っていたファンディル・ヴァシム。幾多もの戦地に行き、人々の命を救ったセラフィム・エルフェウス。友との約束を守るために動けない体となったガルディオス・ウィッチ。その誠実さがゆえ世界で犯罪者となったブレイカー・アランベルク。そして・・・神々とともにアローンと戦ったギャライド・・・ボクはみんなを知っている」
それを聞いていたアラドとアヴァルスが声を出す。
「親父は騙されただけだ!親父は悪くない!」
「父さんがどこにいるのか知ってるのか!?」
ローライルは二人を静止させ、はなしを続ける。
「知りたいならこれから始めることをクリアしたらね」
「始めること?」
ボクは聞き返してしまう。
「うん。君たちにはこれから三日間、二人一組でボクを相手に鍛錬してもらうよ」
そっか、戦いだもんね。
「そうだなー。組はアラドとセルシウス
「はい」
「分かった」
二人がそれぞれ返事する。
「で、アヴァルスとエンジェル」
「うい」
「!?わ、わかりました」
「あとは・・・フォルテとロイド、レイドとサジ」
「うん(えーフォルテー?)」
「ああ(こいつかよ・・・)」
二人はなんか睨み合ってる(汗)
「サジタリウス、よろしくね」
「・・・よろしくお願いします」
「さて、と!」
ボン
ローライルの横に四つの扉が現れる。
「さあ、それぞれ入って」
分けられた僕らはそれぞれの扉に入っていった。