KIRBYTHESTORY2「英雄再誕編」11
「それにしても…」
周りを見てボクは思う。
「広いなー」
「だよねー」
「!?」
びっくりした。隣にローライル(腹に跡がついている)がいつの間にか立っていた。
「レイドは無理をするね…壁を蹴ってダッシュしようとするなんて…」
「うぅ…ごめんなさい…」
「いや、謝る必要なんてないんだよ?でも、壁なんてここにはないのにどうやって蹴ろうとしたの?」
「え?」
そういえばそうだ。この世界には壁なんてなかったはず。なのに、あの時ボクの目には壁を認識していた。あるはずのない壁を。
「まあ、別にいいやー」
「良くはないと思うけど…」
なんでこうもマイペースなんだろう(汗)
「っとレイド」
「ん?どうしたの?」
ローライルの声はさっきまでとは違い少し低くなり大人びているように見えた。真剣な表情でこちらを向いている。
「君は…」
その言葉は、なにかの魔法のように…ゆっくりと、そしてはっきりとボクの耳に届いた。
「君は…父親…ギャライドに会いたいかい?」