KIRBYTHESTORY2「英雄再誕編」9
合図とともにサジタリウスがローライルにダッシュしていく。それを見てボクも走りだす。
「やあ!!」
ローライルに向かい、サジタリウスが拳をぶつけようとするが、状態を反らして避け、何もない空間を見えないほどの速度で蹴る。
「!?」
バシュッ
サジタリウスは真空斬(仮)に当たり、落下する。
すかさず僕は落下してくるサジタリウスを受け止めるが、落下の衝撃を消せずに僕が体を強打してしまう。
「だ、大丈夫…?」
サジタリウスは僕の顔を見て一瞬驚きの表情をしたけどすぐにいつもの無表情に戻る。立ち上がり、
「…ありがとう」
顔は見えなかったけど小さくそんな言葉が聞こえてきた気がした。
僕たちはまたローライルに向き直り、構える。
サジタリウスが先行し、僕が後方を務めることにした。
「アイストルネード!!」
サジタリウス両手を前方に突出し、小さい氷の竜巻を発生させる。
ローライルはそれを避け、サジタリウスに向き直り、炎で吹き飛ばす。僕はこの隙を逃さない。
一気に地面を蹴り、ローライルを一刀両断する。
「はぁ!!」
が、ローライルの手から出現した炎によって止められてしまう。
「これは炎を固定化させたものだよ。ちゃんと斬れるからね」
と、言って炎の剣を振りかざしてくる。
「く…」
僕はそれを防ぐことで精いっぱいで反撃ができずにいた。
(サジタリウスは大丈夫だっただろうか…)
そう思い、サジタリウスが落下したであろうポイントに防ぎながら目を向ける。さっき腰を強打したようだ、立ち上がろうとしても立ち上がれずにいる。
(ん?後ろに何か…いる?)
サジタリウスの後ろにはローライルがいた。サジタリウスは気づいていない。
(そうか、ローライルは何人にも…)
ローライルが炎の剣を振り上げる。
「な!?サジタリウス!!」
「え?」
サジタリウスは後ろを振り返るが、動けない。
こちらの斬撃も止まらない。
「く、一か八か」
ローライルの斬撃をよく見る。そして…
「ここだ!」
かすかな隙を見つけ、斬撃を避ける。
「何!?」
ローライルも驚いているようだ。でも、そんなのどうでもいい。
僕は壁をキックし、ダッシュする。
ぐにゅ
壁が変な感触だったけどおかげでよくダッシュできた気がする。
そのとき、視界を先でローライルが剣を振り下ろした。