KIRBYTHESTORY73「本物の自分」

ここはパピプランドの跡地付近の城の前。世間にはミトスの城と呼ばれている。
そこに多くの人の足音が聞こえる。城の前に座っていたミトスはゆったりと目をあける。
「来たみたいだね」
その目の前にギャラが立つ。
「うん」
「ブレイドから聞いているだろ？この勝負の意味を」
「詳しくは聞いてないけどどうせ本当のティックゼロギャラナイを決める戦いとか言うんでしょ？」
「それなら話ははやいな。そういう君はオリジナルとレプリカは戦う必要なんてない、とでも言いたそうな顔だね」
「やっぱりわかっちゃうか」
「当然だろ？」
ミトスは剣を抜きながら笑みを作る。
「ボクは君で」
それにギャラもベルセリオスを出し、笑みで返す。
「君はボクだもんね」
後ろには湖、前にはパピプランド跡地、そして右側には林がある。
「ボクは負けるわけにはいかない。またあの方に会うために！」
「ボクだって負けられない！ボクにはまだ救いたい人たちがいるんだ！」
さっきの会話が嘘のように、二人はお互いを睨む。
「なら、始めようか」
「ミトス、一つだけ約束がある」
「なんだい？」
「みんなには攻撃しないで」
「ふん、そんなことか。分かってるよ」
「なら、始めよう」
「ああ」
剣を構えなおし。同時に二人が叫ぶ。
「「いくぞ！」」
戦いが始まる。
ミトスが薄く黒き力を纏っていたことはまだ誰も知らない。